ご挨拶

第30回日本医療情報学会春季学術大会
大会長 今井 健(東京大学大学院医学系研究科疾患生命工学センター)

記念すべき第30回の日本医療情報学会春季学術大会の開催する栄を賜りました。本大会は2026年6月11日(木)〜13日(土)の3日間、ライトキューブ宇都宮(栃木県宇都宮市)にて開催いたします。日本医療情報学会学術大会としては初めての開催場所となりますが、宇都宮駅直結で交通の利便も良く、春季大会の特徴でもある深いアカデミックな議論を深めるのに相応しい大変素晴らしい会場です。プログラム委員長に東京大学の河添悦昌先生、実行委員長に東北大学の荻島創一先生をお迎えし、研究、実務、様々な側面から魅力的な構成とするべく準備を進めております。

本大会のテーマは「医療情報学の新たなる道程〜革新と共創の時代へ〜」といたしました。生成AIの急速な発展は医療DXの推進や臨床現場の業務効率化、医療AI開発や医療情報の標準化など多様な領域にインパクトをもたらしつつあり、研究の方法論自体や各種業務、システム開発手法にも大きな影響を与え始めています。技術革新を適切にキャッチアップし、新たに発生する課題に対処しながらもこれまでの医療情報学の道筋に適切に取り込み、新時代の医療情報学を再構築するための大きな転換点に差し掛かっていると感じています。また当学会ではワーキンググループを設置し春季学術大会・連合大会のあり方について検討を重ね、数々の改善を進めると共に、学会として初めて英文誌の創設に向けて大きく一歩を踏み出しました。すでに昨年度から春季学術大会では英文投稿の推奨を開始しており、参加者の皆様に春季学術大会を通じた新たな英文論文パブリケーションコースのオプションを提供することを目指しております。秋の連合大会の学術発表では詳細抄録を必須としない方針となったことを受け、春季学術大会は論文化の場として益々重要な役割を担うこととなります。そのため例年よりも大幅に口演数を増加させる体制を準備しております。

様々な観点から大きな転換点を迎える今大会ですが、これまで医療情報学が進んできた道を尊重しさらに押し進めながらも、他分野とも連携しながら皆様と共に革新し共創する「新たなる道程」を示すことが大会の役割と考えております。本大会に参加される学会員・医療情報技師・企業の方々が知見を共有し、活発な議論と交流を深め、共に未来を切り拓く実りある場となりますよう、スタッフ一同万全の準備をして皆様をお迎えしたいと思います。